美男子症候群!?
あのあと、ちょいちょい拓海くんが優しくなることがあって、変だなーとは思ってたんだ。
あの日も、
「廊下に血のあとがあったけど、ケガでもしたのか。大丈夫か」
とか心配してくれたりして。
授業中わかんない問題を当てられたりした時、こっそり答えを教えてくれたりとかも。
それにちょっとときめいたりしたことは、もちろん秘密。
「付き合っちゃえば?」
「はっ!? わっ!」
机の上にあげていたイスを降ろしていたら、紗知子が急にわけのわからないことを言うから手がすべった。
ガタガタンと、派手な音をたててイスが床に落ちる。
「な、なに言ってんのもー!」
「いいじゃない。あんたイケメン大好きだし、ミスターはあんたのことが気になってるみたいだし」
「あれは完全に、あたしで遊んでるだけだよ~」
「そうかしら。それにしては、ずいぶんしつこいと思うけど」