美男子症候群!?




掃除を終えて、紗知子と2人生徒玄関へ向かう。



今日はこれから、カラオケに行くんだ。


この前のはちっとも楽しめなかったから、今度は女2人で気兼ねなくいっぱい歌うぞー。




「そういえば、紗知子は陸斗くんとどうなったの?」



「え? あー……」




紗知子があんまりにも必死にお願いしてくるから、あたしは陸斗くんのメアドを教えたんだ。



どうもうちの紗知子さんてば、本気で陸斗くんに恋しちゃったみたい。




「メールしてみた?」



「……してない」



「えっ。なんで? あんなにメアドゲットして喜んでたのに」



「だって、いきなり知らない女からメールきても、こわいだけじゃないの。あの時自己紹介もなにもできなかったし。
陸斗くんもあたしのこと覚えてないわよ絶対」




あたしには色々言ってくるくせに、紗知子も意外と臆病だったりするんだよねぇ。



ちょっと顔を赤らめてごにょごにょ話す紗知子は、いつもよりずっとかわいく見えて、笑ってしまいそうになる。

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