美男子症候群!?
体をふるわせていた篠田さんは、SHRの予鈴が鳴ると同時に、教室を飛び出していってしまった。
「あ、篠田さ……」
「バカ」
追いかけようとしたあたしの腕を、拓海くんがつかんで止める。
「放っておけ。なんでおまえが追いかける」
「だって、篠田さん……」
「色々ごちゃごちゃ言われてたのはおまえだろ。行く必要はないんじゃねーのか」
そうかもしれない。
けど……放っておけないの。
これっていい人ぶってるのかな。
偽善者ってやつなのかな。
わかんないけど、胸がぎゅーって苦しくて、痛いんだ。
「拓海くんは、あたしをかばってくれたんだよね?」
「……別に」
「ありがとう。でも……篠田さんへの言葉は、ちょっとキツかったと思う」