美男子症候群!?

体をふるわせていた篠田さんは、SHRの予鈴が鳴ると同時に、教室を飛び出していってしまった。




「あ、篠田さ……」



「バカ」




追いかけようとしたあたしの腕を、拓海くんがつかんで止める。




「放っておけ。なんでおまえが追いかける」



「だって、篠田さん……」



「色々ごちゃごちゃ言われてたのはおまえだろ。行く必要はないんじゃねーのか」




そうかもしれない。


けど……放っておけないの。



これっていい人ぶってるのかな。


偽善者ってやつなのかな。



わかんないけど、胸がぎゅーって苦しくて、痛いんだ。




「拓海くんは、あたしをかばってくれたんだよね?」



「……別に」



「ありがとう。でも……篠田さんへの言葉は、ちょっとキツかったと思う」

< 243 / 329 >

この作品をシェア

pagetop