美男子症候群!?


「うえ~……」




泣いてる。



そうだよね、好きな人にあんなこと言われたら、傷つくよね。


篠田さんの姿が自分に重なって、また胸がぎゅーってなった。



黙って彼女のそばに座ってみる。




「……なんで野宮さんが来るのよぉ~」




大きな目を真っ赤にした篠田さんが、あたしをチラリと見て、うなるようにそう言った。



すみませんねえ、拓海くんじゃなくて。



あたしがティッシュを差し出すと、篠田さんは遠慮なくずびずびと鼻をかんだ。




「あたしのこと、バカにしに来たのぉ?」



「まさか。ちょっと、心配になって。様子見に来ただけだよ」



「バカは野宮さんだよねぇ。お人よしってゆーかぁ。あたし野宮さんのこと、嫌いなのにぃ」



「あはは。あたしは篠田さんのこと、そんなに嫌いじゃないもん」



「……やっぱりバカなんだぁ」




うふふ。


篠田さんて、かわいい顔してけっこう毒舌だよねー。

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