美男子症候群!?
「あたし中学の時、すっごい遊んでたんだぁ」
「遊んでたっていうのは……」
「オトコに決まってるじゃぁん。あたしモテるし、黙っててもオトコが寄ってくるしぃ。
気持ちイイこと好きだからぁ、誘われるまま色んなオトコと色んなコトしてたのぉ」
色んなオトコと色んなコト……。
それはアレですか、あたしの想像なんて軽く越えた、めくるめくオトナの世界なんでしょうか。
あたしは篠田さんの顔をまじまじと見て、イケナイことを想像しかけてあわててやめた。
「でもこの高校入って、拓海と会ってからはやめたんだよぉ。マジになっちゃったから~」
「うん。篠田さんが本気なのは、すごくわかるよ」
「ふん。……けどぉ、ダメだったみたい。いまは拓海一筋だって言ってもぉ、昔やったことがなかったことにはならないんだよねぇ」
鼻をスンと鳴らして、篠田さんは遠い目をする。
篠田さんの言葉は、あたしの心に重く響いた。