美男子症候群!?
やばいよねこれ、絶対聞かれたよねこれ。
おそるおそる振りかえると、拓海くんはすでにあたしの真後ろに来ていて。
あたしの頭の上から、外を見てしまっていた。
「た、拓海くん……」
拓海くんは、完全に表情を消していた。
なにを考えているのか、ちっとも読めない。
「あぁっ! 陸斗くん、こっちに気付いた! きゃーっ」
紗知子の声に下を見ると、陸斗くんはたしかにこっちを見上げて、かわいらしい笑顔で手を振っている。
無邪気なブラコンは、他人のあたしから見れば、とっても微笑ましいんだけど。
拓海くんの目には、どう映っているんだろう。
「……やめだ」
「え?」