美男子症候群!?
え?
学校?
学校をやめるって……まさか、退学するってこと!?
思わずあたしは立ち止まった。
そんな……
いくら陸斗くんのことがコンプレックスになってるからって、本気で学校をやめるなんて。
そんなの、だめ。
絶対だめだよ、拓海くん。
生徒玄関のところでまた追いついて、あたしは拓海くんの腕をつかんだ。
「待って! 本気じゃないよね? やめるなんて、冗談だよね?」
「本気だ。それくらい俺は、あいつと同じ場所にいたくないんだよ」
「どうしてそこまで……」
「おまえにはわからない。俺がどれだけみじめだったか……」
いつもの自信たっぷりで、余裕しゃくしゃくな態度の拓海くんは、ここにはいない。
本当に本気で、学校をやめる気なんだ。