美男子症候群!?
あたしは顔を熱くしながら、大きなため息をついた。
おちゃめな親友のおかげで、充分よくわかったよ。
あたしが好きなのは、1人なんだって。
でも、わかったところでなんになるんだろうと気づく。
わかったって、なんにも変らないよね。
だってあたしには……。
「想像するのはできるけど、実際そんなことしたら、人生でいちばんの大出血になっちゃうよ。もーやだっ」
手で顔をおおってうつむく。
紗知子がなぐさめるように、あたしの肩を抱き寄せた。
「ハルは昔から、オトコの趣味が悪いのよ。あの先生の方にしとけば、な~んにも問題ないのにさ」
「ほんとだよ……」
「佐渡みたいな性格歪んでる俺様の、どこがいいんだか。あたしにはさーっぱりわかんねーわ」
「あたしも紗知子のショタコン趣味は、さっぱりわかんないよー」
あたしたちはしばらく沈黙したあと、2人同時に吹きだした。
笑って忘れられるわけはないんだけど、笑うしかないから笑ってみた。