美男子症候群!?
昼休みになって、あたしの願いが届いた。
「ハル、廊下見て。来たよ」
「え?」
お弁当を片付けていたら紗知子に肩を叩かれた。
廊下の方を見れば、いつもの仲間たちに囲まれた拓海くんが、教室に入ってくるところだった。
その姿を見て、あたしは全身から力が抜けて、机につっぷした。
よかった……拓海くん、笑ってる。
涙がでてきそうなくらい、ほっとした。
「よかったわね、ハル」
「うん。ほんとによかった~……」
もういい。
拓海くんが学校来てくれるなら、それでいいよ。
あたしの気持ちなんて、そんなのどうでもいいよね。
充分だよ、拓海くんが隣りの席にいてくれるなら。
「野宮」
うれしくって1人でニコニコしていたら、いつの間にか拓海くんが横に立っていた。
びっくりして、勢いよく立ち上がる。