美男子症候群!?
「決まってるじゃない。兄さんと一緒に帰ろうと思って!」
「わかった、おまえはバカなんだな。うちの学校よりおまえの中学の方が、家近いだろうが。なんでわざわざ遠回りして迎えに来てんだ」
「だって、はやく兄さんに会いたくて……」
「そのセリフは野郎に言われてもうれしくない。弟ならさらにサムい」
げんなりする拓海くん。
それでもめげずに、キラキラした目でお兄さんを見つめる陸斗くん。
うーんと、どういうこと?
なんか2人とも、ちゃんと会話してる?
あたしが2人を交互に見ながら、頭の中でハテナマークを大量に浮かべていると、
陸斗くんが満面の笑顔であたしの方を見た。
「あと、野宮さんにお礼を言わなきゃなと思って!」
「へっ? お礼?」
あたしにお礼?
紗知子にメアド教えたこと?
そこはむしろ怒られること覚悟だったんだけどな。
あんなショタ紹介しちゃってすみません、てね。