美男子症候群!?
「メールじゃなくて、直接言いたかったから来ちゃいました!」
え、じゃあやっぱ紗知子のことじゃないよね、きっと。
なんのことやら、さっぱりわからないんですけど?
首を傾げるあたしに、陸斗くんは深々と頭を下げてきた。
あ、陸斗くんつむじ2つあるー。
「野宮さん、ありがとうございました! 野宮さんは、俺の一生の恩人ですっ」
「ええ? あたし、なんかしたっけ?」
「はい! だって野宮さん、昨日兄さんに……」
「陸斗!」
言いかけた陸斗くんを、拓海くんはあきれたように止めた。
長い指で、陸斗くんのおでこをはじく。
「おまえしゃべりすぎ。空気読め」
「……へへ。ごめんなさい」
「あと、気をきかせろ」
うれしそうにおでこを押さえる陸斗くんは、拓海くんとあたしを交互に見て、はっとした顔をする。
えー、なぜ?
なんでそこで、はっとするの?