美男子症候群!?


「メールじゃなくて、直接言いたかったから来ちゃいました!」




え、じゃあやっぱ紗知子のことじゃないよね、きっと。


なんのことやら、さっぱりわからないんですけど?



首を傾げるあたしに、陸斗くんは深々と頭を下げてきた。


あ、陸斗くんつむじ2つあるー。




「野宮さん、ありがとうございました! 野宮さんは、俺の一生の恩人ですっ」



「ええ? あたし、なんかしたっけ?」



「はい! だって野宮さん、昨日兄さんに……」



「陸斗!」




言いかけた陸斗くんを、拓海くんはあきれたように止めた。


長い指で、陸斗くんのおでこをはじく。




「おまえしゃべりすぎ。空気読め」



「……へへ。ごめんなさい」



「あと、気をきかせろ」




うれしそうにおでこを押さえる陸斗くんは、拓海くんとあたしを交互に見て、はっとした顔をする。



えー、なぜ?


なんでそこで、はっとするの?

< 279 / 329 >

この作品をシェア

pagetop