美男子症候群!?

うん、そっか。


そうだよね、いきなり好きになるのは難しいよね。



でもすごいよ、充分すごいことだと思うよ。




「きっと好きになれるから、大丈夫だよ。ゆっくりいけばいいんじゃないかな」



「まあ……わざわざ俺が好きにならなくても、あいつがその分俺のことを好きみたいだしな。昨日うれし泣きっつーか、号泣してたし」




あー。


やっぱり泣いちゃってましたか、陸斗くん。



かわいい顔が、涙でぐちょぐちょになっている様子が目に浮かぶよ。




「じゃあ、えっと、その……」



「なんだよ」



「うん。確認なんだけど、拓海くんはもう、学校やめたりしないよね?」



「しない」



「そ……っかあ。ふふ、よかったあ」




これでやっと、本当に心から安心できた。



明日からもあたしの隣りには、いつものイジワルな拓海くんがいるんだ。

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