美男子症候群!?

左手をまじまじと見る。



指輪はちょっとピンクっぽいゴールドで、華奢なティアラの形をしていた。


すっごくかわいい。



高いもんじゃないなんて、嘘だきっと。


こういうの、雑誌で見たことあるもん。



あー、でもかわいい! すっごくかわいい!


どうしよう、もらっちゃう?


夢なんだから図々しくもらっちゃってもいい?



自分の左手とにらめっこしていたら、拓海くんがうなだれて、また1つため息をついた。




「あー……だせえ」



「へ? だせえ?」



「ありえないだろ。女に催促されたわけでもないのに、指輪買うとか。
自分で自分が信じられない」




なにやら、自分の行動に落ち込んでるみたい。



そんな凹むなら、なぜ指輪なんて買ったんでしょう?



うん、でもまあいいじゃないですか。


だって夢だもん、夢。



夢の中でかく恥も、しょせん夢だから大丈夫。

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