美男子症候群!?
ケータイで時間を確認すると、約束の時間になっていた。
周りをきょろきょろ見渡すけど、拓海くんの姿は見つからない。
人ごみにあふれてるけど、拓海くんはまだ来てないんだとわかる。
だってあのお方はえらく目立ちますからね。
どれだけ多くの人に囲まれていても、1発で見つけられちゃうもんね。
鼻血のことがバレたあの日から、あたしたちは付き合うことになった。
って言っても、関係はあまり変わってない気がする。
拓海くんてば相変わらず、俺様ドSだし。
ちょっとえっちでイジワルなのもそのままだし。
まだふみくんが家庭教師をしてくれてるんだけど、わざとその日にデートぶつけてこようとするし。
でも……ほんの少し、優しくなったと思う。
いや、もうほんとに少しだけね。
微々たるものだけどね。
それでもよろこんじゃう、あたしは立派なドMに成長したようです。