美男子症候群!?

でもあなた様にはお話しできない深い事情があるのですよ。


いや、たいして深くもありませんが。



『鼻血が出るから』



という身も蓋もないたいへんシンプルな事情ですが。




「俺、野宮に嫌われるようなこと、何かしたっけ」



「してないよ! ってゆーか、かん違いです! ほ、ほら、そう、目! あたし目が悪いからさ~。前の席に行きたくって」



「コンタクトしてんだろ」




はっ! そうだった!


そういう設定だったんだっけ!



コンタクトがずれたなんて嘘、つかなければよかった~。




「え、ええと、それはですねぇ……。コ、コンタクトが合わないみたいでぇ~、だからやっぱりコンタクトはやめておこうかなぁと、思いまして……」




うつむきながら、しどろもどろで答える。


どうしたもんかと悩んでいたら、不意に長い指が伸びてきて、くいっと顎を上に向かされた。




こ れ は……!




「やっぱな。コンタクトじゃねーじゃん」




め……



めっさ近いんですけどぉぉぉぉぉっ!!

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