美男子症候群!?

視線をそらしても無意味な近さ。


まつげでキスできちゃいそうな距離に、あたしの体は一瞬にして固まった。



心臓も、血流も。




「面白いな、野宮。明日から楽しみだわ。じゃ、バイバイ」




ヒラヒラ手を振って、教室から拓海くんが出ていく。



あ、ヤバい。



心臓が動き出す……!






「ハル!」




紗知子が叫んで、あたしの顔にタオルを投げつけてきた。




さすがナイスセコンド!


絶妙なタイミングに感謝!




じゅわ~っとすごい勢いで、タオルに鼻血が染みこんでいくのがわかる。

< 47 / 329 >

この作品をシェア

pagetop