美男子症候群!?
視線をそらしても無意味な近さ。
まつげでキスできちゃいそうな距離に、あたしの体は一瞬にして固まった。
心臓も、血流も。
「面白いな、野宮。明日から楽しみだわ。じゃ、バイバイ」
ヒラヒラ手を振って、教室から拓海くんが出ていく。
あ、ヤバい。
心臓が動き出す……!
「ハル!」
紗知子が叫んで、あたしの顔にタオルを投げつけてきた。
さすがナイスセコンド!
絶妙なタイミングに感謝!
じゅわ~っとすごい勢いで、タオルに鼻血が染みこんでいくのがわかる。