美男子症候群!?
紗知子のタオルがなかったら、教室が血の海になってたよ。
あたしはタオルで鼻を抑えながら、冷たい床に膝をついた。
「ハル! しっかりしなさい!」
「う……紗知子っ」
「なに!?」
「は、はやくあたしを……」
「あたしを!?」
「耳鼻科に連れてって……っ」
ああ、もうだめ。
あたしは力尽きて、床に倒れこんだ。
「そんな恥ずかしい遺言残して死ぬな、ハル~!」
というアホなやりとりはそこそこに、
あたしたちはクラスメイトに鼻血のことがバレる前に、教室から逃げるように出たのだった。