美男子症候群!?


「落ち着け妹。これは優しいお兄さまからの、愛あふれる試練だ」



「なに言ってるのもー、わけわかんない」



「だからな、家庭教師っつーのは口実よ。本当の目的は、おまえに耐性をつけさせること」



「だからわけわかんないってばぁ」




誰か通訳してくれませんか。


実の妹にも訳せません。



泣きそうになった時、お母さんがケーキと紅茶を前に出してくれた。


あたしの頭を撫でながら、お母さんは微笑む。




「ハル。お兄ちゃんはね、すごいイケメンを見慣れたら、普通のイケメンには鼻血が出なくなるんじゃないかって思ったのよ」



「へ……?」



「そうだぞ妹。昔はイケメンをテレビで観ただけで倒れてた奴が、いまはテレビとか雑誌は全然平気になっただろ?
っつーことはだ、慣れりゃいずれ鼻血も出なくなるかもしれないってことじゃねぇか」



「そ、そうなの……?」


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