美男子症候群!?
でも結局他に立候補がなくて、拓海くんはあたしの手を離した。
ぬ、温もりが……っ!
拓海くんの温もりが右手に残ってる!
あと1秒でも長く手を握られてたら、確実に出ちゃってたかも赤いアレが。
そのくらいの衝撃だったもん。
うあー、右手もう一生洗わないっ。
ってゆーのはムリだから、いまのうちに匂いとかかいでおこっ。
くんくん。
むはー、イイ匂い。
「仲良くやろーぜ、野宮」
「う……は、はいぃ」
なんか、肉食動物にロックオンされた小動物の気分なんですけどー。
紗知子の方を見たら、遠くで彼女は合掌していた。
ひどいよ親友! 他人事かよ!
前方からは篠田さんが、可愛い顔を思いっきり歪ませてあたしを睨んでくるし。
なんかもう、散々です姉さん。