美男子症候群!?

☆運命の出逢いかもしれません!








「気に入られたみたいね、ハル」



「……へ?」




帰り道の電車の中。


今日の委員決めの話になって、紗知子が憐れむようにそう言った。




「気に入られたって、何に?」



「ミスターによ。完全に狙われてるでしょ」



「ね、狙われてる? うあー、やっぱり? あのね、なんか今日の拓海くん、ちょっと声がこわくってね。
昨日のことまだ怒ってるのかなぁ」



「ちげーわよ。そうじゃなくて……いや、やめとこう。鈍いあんたに何言ってもムダだわ」



「なにそれどういう意味? なんかマズいの? あたし拓海くんに謝った方がいい?」



「うん、謝っとけ謝っとけ。どうにもならないけど謝っとけ」




あきれたような顔で、紗知子はそうおざなりな返事をする。



むぅ。


紗知子はいじわるだ。



あたしにわかるように言ってほしい。

< 70 / 329 >

この作品をシェア

pagetop