美男子症候群!?
☆運命の出逢いかもしれません!
「気に入られたみたいね、ハル」
「……へ?」
帰り道の電車の中。
今日の委員決めの話になって、紗知子が憐れむようにそう言った。
「気に入られたって、何に?」
「ミスターによ。完全に狙われてるでしょ」
「ね、狙われてる? うあー、やっぱり? あのね、なんか今日の拓海くん、ちょっと声がこわくってね。
昨日のことまだ怒ってるのかなぁ」
「ちげーわよ。そうじゃなくて……いや、やめとこう。鈍いあんたに何言ってもムダだわ」
「なにそれどういう意味? なんかマズいの? あたし拓海くんに謝った方がいい?」
「うん、謝っとけ謝っとけ。どうにもならないけど謝っとけ」
あきれたような顔で、紗知子はそうおざなりな返事をする。
むぅ。
紗知子はいじわるだ。
あたしにわかるように言ってほしい。