美男子症候群!?
「野宮、ごきげんだな」
ドキィッ!
心の中でガッツポーズをしながら久木先生のお顔を思い浮かべていたら、
小声で拓海くんがそう言ってきた。
「なんかイイコトでもあったのか」
「え……っと、べ、別にフツーだよ?」
ノートに目線を落としたまま、あたしは緊張しながら答えた。
だって、一昨日から拓海くん、なんかこわいんだもの!
明るく気さくにたくさん話しかけてきてくれるんだけど、妙に威圧的な感じがするといいますか。
たぶん笑顔なのに、笑ってないみたいといいますか。
「いいじゃん。教えてくれても」
「ほ、ほんとになにもないです」
「なんで嘘つく? 俺とあんたとの仲だろ。ほら、全部吐け」
いったいどんな仲ですか。
鼻血の呪いによって絶対に仲良くはなれない、悲しい仲とでも言えばいいんでしょうか。
おお、言いようによってはロミジュリみたい。
ロマンチックな要素は、微塵も感じられませんがね。