美男子症候群!?
でもお父さんが他界して、都会に出てきて、小学校に入学すると、当然男のコがたくさんいるわけで。
それまでお父さんやお兄ちゃん以外の異性にほとんど接触したことがなかったあたしは、男のコだらけの空間に緊張していた。
そして、出逢ってしまったんです。
クラスでいちばんのイケメン、加藤勇介くんに。
勇介くんは大きな目で、髪がさらさらで、姿勢がピンとしていて、品の良さそうな男のコだった。
彼の周りだけ、キラキラ光って見えた。
彼を目にした瞬間心臓が激しくドキドキ動き出して、顔がひどく熱くなって、クラクラしてきたと思ったら、
出たんですね、赤いアレが。
気づけば机の上が血の池になっていた。
先生は大慌て、クラスはパニック状態。
あたしは入学初日から、『鼻血女』という、なんともストレートでひねりのないあだ名をいただいてしまいました。
鼻血とのお付き合いは、そこからはじまったのです。