キミはいつも意味を持たない
・仮カレ
仕事に一段落つけて由美とお昼を食べていた時、あたしのケータイにメールが届いた。
差出人は佐倉空人。
「今日も会いに行っていい?」って、なんだか言うことが可愛すぎて思わず鳥肌が立つわ。
早まったかな。
彼にうまく丸め込まれたような気がしないこともない。
「誰から?」
コンビニのサラダをむしゃむしゃと食べながら由美が聞く。
「……保留から格上げされたオトコ」
瞬間、由美は食べていたサラダの咀嚼をミスったようで、ゴホッとむせた。
「昨日言ってた高校生!?」
「ちょっと、声大きいんだけど」
「マジで? うわぁ、やり手だね、智子」
「なによそれ」
驚いた由美の顔には、興味津々です、と書いてある。
あたしはなんだかため息が出る思いだった。