キミはいつも意味を持たない
彼と知り合いだったりしたらちょっと気まずいかも。
なんて考えていると、繋いでいた手がパッと離された。
不思議に思って彼の顔を見上げると、彼の視線は前方にいる高校生達に向いている。
「あれ? 空人じゃん」
「おう」
男子二人に女子二人。
着崩しのレベルをとうに越えたイマドキの高校生。
どうやら本当に彼の知り合いだったようだ。
「お前、姉ちゃん居たの?」
「超美人なんですけどっ!」
どこからその元気が湧き出ているのか全く不明だけど、とにかく高いテンションに圧倒される。
てか、姉ちゃんじゃないんだけど。まあそう見えるよね。
「いや、姉ちゃんじゃねえって」
そう否定した彼はカッコつけてるつもりだろうけど、耳まで真っ赤だから照れているのがバレバレ。