キミはいつも意味を持たない
いつもあたしが振り回されるから、ちょっと良い気味だ。
……少しからかってやろうか。
あたしの中の小悪魔ちゃんがこっそり囁いたのを、あたしは聞いた。
「何だよ、じゃあどういう関係なんだよ」
ちょっかいを出される彼は、恥ずかしいのか何なのか、あたしを彼女とは言わない。
二人の時はあんなに感情垂れ流しのくせに、友達の前じゃカッコつけるんだ。
あたしはさっきほどかれた手を、スッと彼の腕に絡めた。
「照れなくて良いじゃない。彼女だって、堂々と言えば?」
そしてあたしはわざと強気な微笑みを向けてやった。
するとその場がどよめいた。
「マジで!?」
「くっそぉー! なんで空人ばっかり!」
芸能人のスキャンダルを見つけてしまったようにはしゃぐ女の子。
男の子達はなんだか悔しがっている。