キミはいつも意味を持たない
そして泡よくば、こんな面倒臭い女はごめんだって言われれば尚良い。
しかしそんなあたしの思惑をよそに、彼の目は期待に満ち溢れていた。
「わかった! 任せて!」
「強気なのね」
「ミッションを与えられると、俄然やる気出るよ!」
ミッションって。
あたし、もしかして墓穴を掘ったのかしら。
「頑張るぞー! それと、タメ口にして良いですか?」
普段から所々タメ口になってるの、気付いてないのかな。
でもわざわざ断るなんて変な所で律儀なんだな。
まぁ彼氏(仮)な訳だし、タメ口は気にしない。
あたしがそれを許可すると、彼はまた無邪気に喜んだ。
「待っててね、智子さん。いつかメロメロにしちゃうから」
自信満々な彼の瞳は、まぁ、それなりに男らしくて。
あたしは少し微笑んだ。