キミはいつも意味を持たない

決断力があって、頼りがいのある彼に夢中だった。

だけど感情的になりやすくて甘えたがりのあたしに、徐々に嫌気がさしたみたいで。

なぜそんなにコドモなのかと、何かにつけてあたしを批難した。

そしてあたし達の間に溝が出来、埋まることなく深まっていったんだ。

あたしはそれが悲しくて。
歳が若いからって、心まで幼いと思われることが悔しくて。

あたしはこんなに真剣に愛しているのに、なぜ分かってくれないのかと嘆いた。

誰かを想うことに、若さは関係ないのにと、泣いた。


オトナになれないことにコンプレックスを感じて居たのは、他でもない自分。

それはもしかしたら、今も変わらないのかもしれない。


なんだかつまらない気分になって、残りの冷めたコーヒーを飲み干した。

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