キミはいつも意味を持たない

あたしはまた、空人の言葉を聞いてハッと気づく。

そうだ。
空人はそういう子だ。

無意味なことは避けて通ろうとするあたしとは違う。

意味があるかどうかなんて関係なくて。

ただその時一番したいことをするんだ、空人は。


「高校生らしい恋がしたいわけじゃない。俺はただ智子さんと恋がしたいだけ」


そう言って優しく笑う空人は、なにか男らしくて。

あたしはトクンと胸が弾むのを感じた。

空人は腰に回していた右手をあたしの頬に移動させる。


「自信、ていうか、確信があるよ。俺が賭けに勝つってね」


ニッコリと、自信に満ちた笑顔を向ける空人。

対して、自信を持てないあたし。


「……もし、あたしが他の人を好きになっちゃったらどうするの」


あたしの問い掛けに、空人はわずかに困ったように笑った。
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