キミはいつも意味を持たない

「なんで、笑うの」

「だって“次からは“ってことは、また次も会えるってことですよね?」


しまった、と思った時にはもう遅かった。彼はそれはもう幸せそうに笑みを浮かべている。


「……何百年後かもしれないけどね」

「いいよ。俺、待ちますから」

「冗談よ」


会えて嬉しいだとか、どれくらいでも待つとか。

彼はその言葉にどんな意味を持たせているつもりなんだろう。

十代の頃に誓う「永遠の愛」とやらが、掃いて捨てるほど壊れてしまうことを、彼は知っているのだろうか。

軽々しく言うもんじゃないなんて思うのは、やっぱりオトナになってしまったのかな。


「……お腹、減ったわ」

「じゃあ何か食べに行きましょうよ」


しっぽが付いてたら多分ちぎれるくらい振ってるんだろうな。

そんな風に見える人懐っこい笑顔に、あたしは頷いた。
< 7 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop