キミはいつも意味を持たない
「なんで、笑うの」
「だって“次からは“ってことは、また次も会えるってことですよね?」
しまった、と思った時にはもう遅かった。彼はそれはもう幸せそうに笑みを浮かべている。
「……何百年後かもしれないけどね」
「いいよ。俺、待ちますから」
「冗談よ」
会えて嬉しいだとか、どれくらいでも待つとか。
彼はその言葉にどんな意味を持たせているつもりなんだろう。
十代の頃に誓う「永遠の愛」とやらが、掃いて捨てるほど壊れてしまうことを、彼は知っているのだろうか。
軽々しく言うもんじゃないなんて思うのは、やっぱりオトナになってしまったのかな。
「……お腹、減ったわ」
「じゃあ何か食べに行きましょうよ」
しっぽが付いてたら多分ちぎれるくらい振ってるんだろうな。
そんな風に見える人懐っこい笑顔に、あたしは頷いた。