キミはいつも意味を持たない
空人はあたしの肩を掴み、そっと離す。
あたしより高い位置にある、その大きすぎない涼しげな目にあたしが映る。
すると空人はやけに真面目な顔つきになり、しっとりとあたしを見つめた。
「ずっと、智子さんが好きでした」
真剣な空人の言葉。
きゅっと、胸が鳴る。
どうしてくれるのよ、空人。
あたしはどうしようもなく、空人が愛しいみたい。
「俺と付き合って下さい」
あたしは空人の視線を受け止めたまま、しっかりと頷く。
すると同時に空人からたくさんの笑顔が零れ落ちた。
「好き! 智子さん、本当に大好き!」
「もう、分かったってば!」
ガバッと再び抱きしめてきた空人に、あたしは笑う。
以前は戸惑ったりもした空人のストレートな言葉が、今とても心地好い。