キミはいつも意味を持たない

何を食べるかという話になり、普段どこで食事するのかと聞くとファーストフード店の名前ばかり連発された。

仕事終わりに高校生とファーストフードで夕食。

考えただけでも気が滅入るので、あたしは無難にファミレスを選んだ。

知り合ったばかりの高校生と二人でファミレスなんて、まるっきり保護者だけど。

ニコニコと美味しそうにハンバーグを頬張る姿は、見ていて悪い気はしなかった。


「よく食べるわね」

「食べ盛りだからね!」


食べ盛りの育ち盛り。
きっとすぐにもっと身体もがっちりして、顔付きもオトナっぽくなるんだろうな。

その姿を見てみたい気はしたけれど、その時に出会いたかったと思わないわけではない。


「どうしました?」


ぼんやりと彼を見つめていると、その視線に彼が気づいた。


「本気であたしを好きなの?」


スルリと口から滑ったのは、そんな唐突な言葉。
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