キミはいつも意味を持たない
言ってしまったことはもう取り消せない。
恐る恐る彼の表情を窺うと。
ハンバーグのソースを口の端につけて、ぽかんとマヌケな顔が目に入った。
「うーん。それはまだ分からないです」
言い放たれた言葉に、あたしは意表をつかれすぎて声が出なかった。
「でも本気になる自信はありますから」
「意味が、分からない」
「え? 嘘」
「好きでもない女に付き合えって言ったわけ?」
やっぱり、高校生なんてそんなものなんだ。
あたしが答えを真剣に考える必要なんかなかったんだ。
そう思うとなんだか笑えてきて、ため息混じりにあたしはフフッて笑った。
「年上のオンナを落としてみたいとか、そんな理由?」
自嘲気味にあたしが言うと、思いがけず彼は不愉快そうに顔をしかめた。