チョコレート大作戦!
ひょいっと教室の後ろの扉に顔を出して室内を覗く。
キャーキャーと女の子達の群れで賑わっている理由はやっぱり……
「楓クン! これ、あたしの愛を込めて作ったの♪」
ちょっと派手な女の子がチョコレートの入った包み紙を渡すと、次々と女の子が楓の机に綺麗に包装された箱や包み紙を置いていく。
「私のも食べて~!」
「楓先輩! これ受け取ってください!」
渡した女の子達は顔赤く染めて、興奮気味に教室を後にする。
楓の席は同級生から先輩から、とにかく女の子で溢れかえっていた。
「やっぱり気になるんだ?」
背後からそんな声が聞こえて、あたしは振り返る。
「爽……っ!」
そこにいたのはニヤニヤとあたしを見つめる爽の姿だった。
「うっわ~! アイツ、すげぇな! あんなにチョコレート貰って」
興味津々で楓を見つめる爽の目はキラキラと輝いている。