チョコレート大作戦!
――その日の夜
家に帰ってきたあたしは楓が貰ってきたバレンタインプレゼントをテーブルの上に広げて、堪能していた。
「1、2、3、4…………」
指折り数えて、包み紙や箱の数を数えていく。
計、236個。
学校全体の女の子の人数は300人だから……
「半分以上の女の子が楓にあげてるんだ……」
ヤキモチとか悲しいとかっていうよりも、なんか唖然としちゃうっていうか……
改めて、楓ってすごいなあ……。
今日だって、こんな大量のチョコレートを家まで持ち帰るのが困難だって先生がダンボールくれたくらいだもん。
ソファーに横になってテレビを見ている楓の目を盗んで一つ、包み紙を手に取る。
こんなにあるんだもん。一つくらい食べてもいいよね……
大好物のチョコレートを前に、おあずけってのも無理な話。
包み紙を開けようとした時、ピンク色の針金に一緒に巻きつけてあるメッセージカードが目に入った。