チョコレート大作戦!
「別に興味ねぇ」
「えっ?」
振り返るとすぐ近くに楓の姿があった。
ニヤリと妖しい笑みを浮かべて、威圧感たっぷりにあたしを見つめる。
うっ……。
なんかこの笑顔、久しぶりかも……
最近はずっと恋人らしいことなんて何もしてないし、保護者みたいにしっかり面倒みててくれたからな……。
「俺、穂香にしか興味ねぇし?」
「な、何言って……」
そんな恥ずかしいお言葉をこんなところで……
ドキドキし過ぎて、心臓がいくらあっても足りないですよ……。
「……で?」
「へっ?」
なにそのドキドキさせた後のさっぱりとした感じ。
まあ、いっか。
「お前からのバレンタインは?」
首を傾げて尋ねる楓を可愛いと思ってしまう。
……ん? バレンタイン?
「あっ! 忘れてた!」
そうだ!
あたし、鈴さんと一緒にタルト作ったんだった!