すっぱちゃっぷす☆
ムナは仁王立ちして
全員に向かって大声を出した。



「よおぉしッ
お前らに本物の走りを見せてやるッ!!!手本だと思って良いぞッ」



ムナはスタートラインに
しゃがみこむと


クイッ!!

とお尻を天に突き上げた。



「これが基本の
クラウチングスタートだッ!!」




「先生…リレーなんですけど」


生徒の言葉はもはや耳に届かない。


ムナは目を閉じて
精神統一している。




――カッ!!



ムナは目を開けたと
同時に走り出した。



は…ッ

早い――…ッ!!



風圧で体を後ろに傾けながら
疾走するムナ。



速すぎて…

手足の動きも見えない。

もはや黒い塊だ。







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