すっぱちゃっぷす☆

伊織とたっくん

ご飯を済ませた私は、
お姉ちゃんの部屋に行った。



コンコン



「…詩織」



ドアをノックすると
すぐにお姉ちゃんが出てきた。



部屋に入ると、
いつもは綺麗なお姉ちゃんの
部屋が散らかっていた。


ベッドの上に散乱する服。


慌て何かを用意したみたいな…



目を下に移すと

毛足の長いラグの上に
置いてある…



一際目立つものが目に入った。





「お姉ちゃん、それ…」



私が床に指差したのは――。



「詩織…私、たっくんと駆け落ちする…」



……きゅっ




私が指差したボストンバックを、お姉ちゃんが握りしめた。




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