すっぱちゃっぷす☆
「ごめんっ…」



堪えようと思った。



泣いちゃダメだって
わかってる。


わかってるんだ…




それなのに
涙は止まってくれない。



「大丈夫だから…」



口だけでも
強がり言ってみたけど。



何度拭いても
溢れる涙は止まらない。






「ほんとごめ…大丈夫…」



堪えきれず
目線を下に向けてると、

ふと
横から手が伸びてきた。



「……泣くなよ」



差し出された愛人の手。


その手には

ハンカチが握られていた。



「…早く拭けよ」



「愛人……」



ハンカチを受け取って
愛人を見つめた。




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