すっぱちゃっぷす☆
「………」



黙り込む私を


少し首を傾げて愛人は真剣な瞳で覗き込む。



「…なぁ?」


今…聞かれても、私……


ドキドキしちゃって、
なんか変なの…。



返答したくても、
私の口と体は動かない。



トク トク トク…


密着した背中で愛人の鼓動を
感じる。



周りの音が聞こえない。


ねぇ、なんで……?



息が止まりそうになる。















「大丈夫かい!?」



覆い被さっていた看板が突如なくなり、一気に視界明るくなった。



同時に愛人の体が離れた。



「っ……」


愛人の瞳と腕から解放されて
体の中に一気に酸素が入り込む。



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