落下するリズム
『莉子がシフト入るなら、俺も働こっかな~』
出勤可能日の×印を、ボールペンで黒く塗りつぶしたあたしの横で、紘斗がボソッと呟いた。
それを聞きつけた店長が、
『おぉっ!マジで?!』
っと嬉しそうに声を上げる。
…店長~…そんなわけないじゃん…紘斗は彼女と花火だよ…
あっけなく騙されてる店長に、半分あきれながらも、あたしはワザと、紘斗の×印も塗りつぶした。
『はい、じゃあ紘斗も出勤~!』
からかうようにそう言うと、彼は意外にも、
『いいッスよ』
と頷いた。