オレンジの彼。
「ほら、」
「…は?」
朔斗があたしの前でしゃがんでいる。
「ほら、早くしろよ」
「だがら、何がよ!!」
「その足じゃ歩けないだろ?おぶってやるよ」
「い…いい!!重いし!!」
「バーカ、んなこと分かってっから。早くしろ」
「でも…」
確かに一人じゃ歩けない。
だからといって朔斗におんぶしてもらうのは、恥ずかしい。
「あーもー、焦れってえな。さっさと乗れ!!」
そう良いながら、無理やりにあたしをおんぶした。
「お前…」
「ん?何?」
「ダイエットしろよ…」
「な、なんだとー?降ろせ、降ろせ!!」
足をバタバタさせる。
朔斗のやつ、女の子に向かって失礼じゃない?
ダイエットしろって、確かに重いけど!!
「おい、暴れんなって。冗談に決まってんだろ?男だぜ、俺」
冗談でも言っていいこととダメなことがあるでしょ?
「痛い!!」
足をバタバタしていたせいで、ピキッと痛みが走った。
涙目になりながら動かすのを辞めた。