オレンジの彼。


急に真剣な口調になる朔斗。


「なぁ…、詩織?」

棚の戸を閉めて、椅子の上に座った。

「なに?」

鼓動が速くなったのを気付かれないように平然を装いながら返事をする。


「お前…、」

少し俯いて、笑う朔斗。


「好きな奴とか、いんの?」

動揺を隠せない。
なんで朔斗が聞くの?

まさか、結城先輩が…?

「な、な、なんで?」

噛んでしまった。



「ぷ、本当、分かりやすい奴だな」

くくくっと笑っている。


「わ…分かりやすい?」

惚けるように首を傾げた。


「お前、バスケ部に好きな人いるだろ♪」

「な、なんでそれを?」

「やっぱりな♪」


あ…。
今、自分で暴露しちゃった。







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