オレンジの彼。


朔斗の背中から、朔斗の体温を感じる。
昨日と同じ。


あたしは、静かに朔斗の背中に顔をうめた。

何故だか分からないけど、
朔斗の背中は落ち着く。

鼻をちょっとくすぐる、朔斗の匂い。


「詩織…、家どこ?」

「あっ…健ちゃんの家の隣」

「そうだったな…」

少し小さくみえる朔斗の背中。



あたしは、それがどうしようもなく悲しかった。



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