オレンジの彼。
「詩織ちゃんもしかして…16番?」
あたしの前に小さくて女の子らしい子が座っている。
「奈々、もしかして前?」
あたしに向かって顔の前でピースをしている。
奈々っていうのは、あたしの親友。
あたしより背は小さいんだけど、かなり姉貴的存在。
しっかりしてて、頭も良くてなんでもテキパキとこなしてしまう。
「本当!?すごい嬉しい」
「奈々もだよ♪」
「詩織ちゃん、隣りとなり」
あたしの耳元で小声でつぶやく。
「よお、お前が隣か。」
「…朔斗!?」
「そっ、俺24番。」
そう言って、ひらひらと番号が書いてある紙を見せてくる。