オレンジの彼。
「それで..」
ニヤつきながらあたしと朔斗を交互に見るお母さん。
頭の中には?が浮かぶ。
「いつから、その...付き合ってるの?」
「ぶーーーーー!!」
あたしは思わず飲んでいたお茶を吐きだしてしまった。
「あらやだ、汚いわね」
「ゴホっ、ゴホっ」
お母さんってば!!
いきなり何を言い出すのよ!!!
それに朔斗とは付き合ってないし!!
朔斗のほうをちらっと見ると、笑いをこらえながらカレーを食べていた。
こらー!!否定しろー!!
軽く朔斗を睨む。
「お母さん、違うからね!!あたしと朔斗はそんなんじゃないから!!」
「あら照れなくても、いいのよー?」
「照れてないし!!」
まだ笑っている朔斗。
あんたのことでもあるんだからちょっとは否定しろー!!
「隣の桐谷さんとこにも知らせないと♪」
えっ!?
「や、やめてよ!!」
ピーンポーン。
あたしの言葉と同時に響く音。
「はーい。ちょっと待ってね」
そう言って、玄関へと出ていった。