オレンジの彼。

朔斗の足を思いっきり踏みつけた。


「いって!!何すんだよ!!」

笑っていた朔斗があたしの腕をつかんだ。


「なんで否定しないのよ!!」

「別にいいじゃん。どうせ面白半分だろ?」

想ってもない反応が返ってきた。


「良くない!!お母さん、真智子さんと...健ちゃんのお母さんとすっごい仲いいんだから!!」


「ふーん。健吾に知られたくないもんな」

「当たり前でしょ?」

さっきよりもきつく朔斗を睨む。


「分かったよ。悪かったよ」

そう言って謝る朔斗。


「うん。あたしこそ、足踏んでごめん」

「お前が謝るとかきもい」


「うっさい!バカ朔斗!!」

「んだと?デカ女!!」


いつもみたいな言い合いが始まる。

すると、リビングのドアがキーっと音を立ててあいた。

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