オレンジの彼。

リビングに入ると、固まって驚いた表情をしたしぃの顔が見えた。
その隣には、俺の親友の朔斗が居た。


なんだ。
朔斗と付き合ってるのか?


そう思いながらも平然を装い話しかけた。


「あれ?朔斗じゃん。何でこんなとこいんの?」

分かってる。
しぃの…

「色々あってな。健吾こそ、良く詩織ん家来るの?」

色々?
色々ってなんだよ。

正直に、言えよ。


「最近は滅多に来ないけど、昔はすごい来てたよ。なあ、しぃ?」

「あ、うん...」

急に話を振られて驚いたのか、しぃは俺から視線を逸らした。

そんなに嫌か。
俺と喋るのが、そんなに嫌かよ。


「健吾、モタモタしてるからしぃちゃんを朔斗くんに取られちゃったわねぇ」

「別に、俺のじゃないしな」

母さんの言葉にただ、笑った。











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