オレンジの彼。
★秘密のレッスン
よしっ‼
今日は朝一に行って、みんなの役に立てるようにしなきゃ‼
ーーダンダンッキュ、スパッ。
この音は、ボール?
それに、バッシュの音も…。
あたしは、ゆっくり体育館のドアを開けた。
「あのー…ってぎゃ‼‼」
扉を開けた瞬間、見事に何かにぶつかった。
いや、正確には何かが上に乗っている。
「いたたっ…」
頭を摩りながら、ゆっくりと目を開けると、
「…よぉ」
目の前には、どアップの朔斗の顔があった。
しばらくの沈黙の後に、あたしが今おかれている状況に気づいた。
頬と頬が触れてしまっている。
ちょっと動いただけでも唇があたってしまいそうな距離。
あたしは1ミリも動けない。