オレンジの彼。
「お、はよ…」
驚きを隠せない。
この距離のまま時間が止まったみたいに動けない。
沈黙を先に破ったのは朔斗だった。
「…どーしたんだ?こんな早くに」
「ひゃあ‼」
生暖かい風が頬に当たった。
「あ、悪ぃ!!」
朔斗は慌ててあたしの上を降りた。
「う…ううん//」
どうしよう…。
多分、あたし今顔真っ赤だ!!
隠すように俯く。
「顔真っ赤だよ?大丈夫?」
くすくすと笑いながら言う朔斗。
「あ、暑いだけだし!!朔斗こそ、こんな朝早くどうしたのよ?」
「俺は練習をーー…!」
何かをひらめいたように、続ける。
「丁度良いじゃん。手伝えよ、詩織」