オレンジの彼。
「…あ、バスケね‼」
一瞬、朔斗の言葉にドキッとした。
バスケのことって分かってるのに全身が熱い。
「今は俺がバスケ部で1番身長が低いけど、すぐに詩織だって抜かす‼」
男らしい表情にドキッとした。
真っ直ぐ目を逸らさずに話すのを見て、朔斗は本当にバスケが大好きなんだと感じた。
「…なあ…詩織?」
なんだろ…
なんか胸が熱い。
頭に血が上って息が苦しい。
朔斗の真剣な表情を浮かべる。
「詩織、あのな…」
「健ちゃんと‼」
あたしはそのドキドキに耐えられなくなり、話を遮った。
「健吾?」
きょとんとした表情を見せる朔斗。
「昨日ね、健ちゃんが部屋にきてくれたの‼」
「え?」
朔斗の顔が曇ったことも気付かずに、
「久しぶりに健ちゃんと喋れて嬉しかった♪」
愚かなあたしは、笑っていた。
「…れ?」
「え?」
「何それ?告る勇気でもでた?」
冷たい声で呟いた。
明らかに、怒っている。
「そういう訳じゃないけど…。でも、一歩前進したって感じ‼」
あたし…なんかした?